記事 · 通貨ペアの選び方

なぜユーロ/ポンドなのか。28の通貨ペアを同じ物差しで比べた

リピート売買は、値動きの往復を利益に変える仕組みです。だから通貨ペアに求める条件は「よく往復すること」だけではなく、「往復のわりにレンジが狭いこと」「レンジを破らないこと」「持ち続けてもスワップで削られないこと」の4つになります。この記事では、XMで取引できる28の通貨ペアを、この4つの物差しで機械的に並べました。

1. 往復が多く、レンジが狭いペアが有利

年間の往復をお金に換算し、10pips運用の推奨資金で割った値(%)· 2009〜2025年の平均クリックで拡大
28通貨ペアの資金効率の横棒グラフ。AUDCAD 6.4%、NZDCAD 5.4%、EURGBP 5.3%、NZDUSD 4.9%と続く
棒の長さは「1年の上下動を全部取れた場合に、推奨資金の何%になるか」。実際の利益はこの一部ですが、ペア同士の比較にはこの比率がそのまま使えます。薄い棒は主に使う側のスワップがマイナスのペア。

このEAの必要資金は、レンジの幅で決まります。範囲が広いほど段が増え、全段が埋まったときの含み損が大きくなるからです。一方で利益は、その範囲の中で価格が何pips往復したかで決まります。つまり同じ手法で比べるなら、「1年の往復」を「必要資金」で割った比率が、そのペアの資金効率です。上の図はその比率で28ペアを並べたものです。上位は豪ドル/カナダドル、NZドル/カナダドル、ユーロ/ポンド、NZドル/米ドルの順で、ドル円やポンド円のような値幅の大きいペアは、レンジも広いため下位に沈みます。

2. 上位のペアは、スワップで明暗が分かれる

資金効率の上位6ペアの内訳 · XMスタンダード口座のスワップは2026年9月の値
ペア使う側資金効率推奨資金スワップ/日/1,000通貨100本持った年間
AUDCAD売り6.4%¥1,600,000−¥12.1−¥442,000
NZDCAD買い5.4%¥1,900,000−¥2.5−¥92,000
EURGBP売り5.3%¥3,100,000+¥2.5+¥92,000
NZDUSD買い4.9%¥3,100,000−¥6.2−¥228,000
EURCAD売り4.7%¥3,500,000−¥7.3−¥266,000
AUDNZD売り4.6%¥1,700,000−¥11.9−¥435,000
「使う側」は、現在値が過去レンジの中点より上なら売り、下なら買い。推奨資金は10pips間隔・1,000通貨・上限190本で計算。

資金効率だけなら豪ドル/カナダドルが1位です。ところがこの手法は建玉を何十本も長く持つので、スワップが毎日効きます。豪ドル/カナダドルの売りは1,000通貨あたり1日12円のマイナスで、100本持てば年間44万円の持ち出しになります。ユーロ/ポンドの検証では年間の確定益が34万円前後ですから、この大きさのマイナススワップは利益をまるごと消します。上位6ペアの中で、主に使う側のスワップがプラスなのはユーロ/ポンドだけでした。

3. 2009年以降、一度もレンジを破っていない

2003〜2008年の高値・安値の外に出た日数(2009年以降)
ペアレンジ破りの日数過去1年平均の±3%以内にいた日往復 ÷ 片道
EURGBP065%19.0倍
CADJPY542%17.6倍
AUDCAD7363%24.6倍
NZDCAD41563%30.7倍
AUDNZD61572%23.1倍
EURUSD2,37148%16.6倍
EURCHF4,29374%15.6倍
レンジ破りは、範囲の外に出て損切りか含み損の膨張が起きる局面。ユーロ/スイスフランは2015年のスイス中銀のショックで範囲を大きく割った例。

この手法の弱点は、範囲の外へ一方向に走られることです。だから「過去にどれだけレンジを破ったか」を数えました。ユーロ/ポンドは、2003〜2008年につけた高値と安値の範囲を、2009年以降の17年間で一度も出ていません。豪ドル/NZドルやユーロ/スイスフランは往復の多さでは優れていますが、レンジの外にいた日が数百日から数千日あります。ユーロ/ポンドは資金効率が上位で、スワップがプラスで、レンジを破らない。3つが同時に成り立つ唯一のペアでした。

4. 次に検証する候補

スワップは毎月変わります。豪ドル/カナダドルやNZドル/カナダドルは、スワップの条件が変われば有力な候補になります。次は、この一次比較で上位に入ったNZドル/カナダドル、豪ドル/カナダドル、豪ドル/NZドル、NZドル/米ドル、ユーロ/カナダドルの5ペアについて、ユーロ/ポンドと同じ1時間足のバックテスト(2003年〜)を回し、年率・最大の含み損・推奨資金を同じ表で並べる予定です。結果はこの記事の続報として載せます。

この比較は2003年以降の日足(Yahoo Finance)とXMのスワップ表(2026年9月)に基づく一次スクリーニングです。ユーロ/ポンドのEAは2000年の安値まで含めた範囲で設計しているため、この記事の推奨資金(310万円)は稼働中の設定(460万円)より小さく出ています。

最後まで読んでくれて、ありがとう。数字の出どころは、下のリンクから確かめられるよ。

ユーロ/ポンドの検証はバックテストと稼働記録で確かめられます。
2026-09-16 公開
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