為替相場がレンジになりやすい理由
当サイトで稼働させているユーロ/ポンドのリピート売買EAは、価格が行って戻ることを前提にした仕組みです。その前提が本当に成り立つのかを、2004年1月から2026年9月までの日足で、株価指数や金と並べて確かめました。為替28ペアのうち、22年で2倍を超えたペアは1つだけでした。
1. 為替は、22年たっても2倍にならない
株と金は上へ。為替は、行って戻る。
2004年1月を100とすると、S&P500は2026年9月に6.8倍、金は10.2倍になりました。ユーロ/ポンドは、同じ期間で1.2倍です。
為替28ペアの倍率は、最も低いポンド/スイスフランの0.5倍から、最も高いスイスフラン/円の2.2倍までに収まります。株や金のように何倍にもなったペアはありません。
2. 為替は、1年平均の近くにいる時間が長い
「過去1年の平均から±3%以内にいた日」の割合は、為替28ペアの平均で50.6%でした。S&P500は17.2%で、日経平均と金も2割台です。
ユーロ/ポンドは66.1%で、28ペアの中でも高い方です。為替は1年の平均から離れても、半分の日はその近くにいることになります。
3. 5年後に同じ水準にいる割合も、為替と株では違う
| 対象 | 2004年→2026年の倍率 | 1年平均の±3%以内にいた日 | 5年後に±10%以内 | 1年の往復÷片道 |
|---|---|---|---|---|
| ユーロ/ポンド | 1.22倍 | 66.1% | 55.6% | 21.1倍 |
| ユーロ/ドル | 0.92倍 | 43.7% | 56.4% | 18.7倍 |
| ドル円 | 1.45倍 | 46.6% | 21.6% | 17.6倍 |
| 為替28ペアの平均 | 0.5〜2.2倍 | 50.6% | 43.8% | 22.4倍 |
| 金 | 10.17倍 | 22.9% | 10.9% | 13.4倍 |
| 日経平均 | 5.91倍 | 22.3% | 7.8% | 13.3倍 |
| S&P500 | 6.81倍 | 17.2% | 15.8% | 12.7倍 |
5年後の価格が起点から±10%以内にいた割合は、為替28ペアの平均で43.8%でした。日経平均は7.8%で、5年たつと同じ水準にいることのほうが珍しい資産です。
「1年の往復÷片道」も、為替は22.4倍、株価指数と金は13倍前後です。同じ値幅を動くにも、為替は行って戻る回数が多いことを示しています。
為替の中でも差はあります。ドル円は5年後に±10%以内だった日が21.6%と低く、2022年から2024年の円安が響いています。
4. なぜ為替はレンジになりやすいのか
通貨の値段は、2つの国のお金の交換比率です。株のように会社の利益が積み上がって価値が増える資産ではなく、片方の国だけが永遠に強くなり続けることも起きにくい仕組みです。
行き過ぎた動きは、物価の差、金利の差、貿易や投資のお金の流れによって少しずつ修正されます。自国の通貨が安くなりすぎれば輸出が増え、金利を上げる圧力もかかります。
さらに、急な動きを中央銀行や政府は嫌います。為替介入や金融政策の変更は、一方向に走る相場を止める方向に働くことが多く、これも往復を生む要因です。ホームの「リピート売買に期待値がある4つの理由」は、この性質を前提にしています。
5. それでも、レンジは永久ではない
レンジは、ときどき壊れます。ドル円は2022年1月の115円台から、2024年7月には161円台まで上がりました。
ユーロ/スイスフランは2015年1月、スイス中銀の政策変更で、1月14日から19日までの間に17.4%下がりました。為替でも、一方向に走る局面はあります。
だから当サイトのEAは、売買する範囲を過去の最高値と最安値で区切り、全段が埋まっても耐えられる資金を前提にしています。その設計と2003年からの検証はバックテストに、通貨ペアの選び方は別の記事にまとめました。同じEAは、当サイト経由でXMTradingの口座を開設した方に無料でお渡ししています。
6. 前提
- 日足はYahoo Financeから取得し、為替28ペアはXMで取引できる主要ペア、株価指数はS&P500と日経平均、金はニューヨークの先物価格です。
- 期間は2004年1月から2026年9月16日までで、前日比8%を超える異常値は除いています。
- 「過去1年の平均」は直近250営業日の終値の単純平均、「5年後」は起点の日付に5年を足した日以降の最初の終値です。
- 「往復÷片道」は1年の終値の変化の絶対値の合計を年初と年末の差で割った値で、2009〜2025年の中央値です。
- 倍率は2004年最初の終値に対する2026年9月の終値の比で、配当や金利は含みません。
最後まで読んでくれて、ありがとう。数字の出どころは、下のリンクから確かめられるよ。